ハーバード大が成功、正式発表へさまざまな種類の細胞へ変化させられる人間の新型万能細胞として注目されているiPS細胞。難しいことはわからなくても、名前くらいは聞いたことがあるのではないだろうか。このiPS細胞から、脂肪を燃やす働きのある褐色脂肪細胞を人工的に作り出すことに、米ハーバード大学などが成功したそうだ。
この成功報告は、15日付の科学誌Nature cell biology電子版に正式発表された。肥満を効率よく解消する、治療への応用が期待される成果だ。
将来は美容技術にも活かされるかも脂肪細胞には、脂肪を燃焼させる働きのある褐色脂肪細胞と、脂肪を蓄える性質のある白色脂肪細胞の2種類が存在する。このうち、万能細胞の一種であるES細胞では、これまで白色脂肪細胞に変化させることはできても、褐色脂肪細胞に変えることができていなかった。
研究チームが、iPS細胞から変化させた褐色脂肪細胞をマウスに移植したところ、もともとの脂肪細胞同様、問題なく定着したという。
今後、肥満症の治療を中心に利用が期待されている。肥満症とまではいかなくとも、脂肪を燃やす働きがあるとなると、美容面からも気になるところ。将来はよりひろく活用される技術となるかもしれない。
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