マウスで体重減少を確認通常口内炎の治療のために使われる薬で、肥満が抑制できるかもしれない。米ミシガン大学の研究チームが発見し、10日の医学誌Nature Medicineで発表した。マウスでの検証だが、年内にも臨床試験に踏み切る方針という。
それによると、研究チームは、脂肪分の高いえさを与えて肥満状態となったマウスに対し、米国ではおなじみの口内炎薬として知られる市販の「アンレキサノクス」を投与したという。すると、高カロリーのえさを変わらぬ量食べ続け、運動量を増やすこともなかったにもかかわらず、マウスの体重が減少したのだそうだ。そしてこの薬の投与をやめると、ふたたび元の体重に戻ったとしている。
(画像はイメージ)代謝アップにカギ、安全性が確認されれば新薬も研究によると、こうしたダイエット効果が現れたのは、代謝をコントロールする遺伝子に対し、アンレキサノクスが作用することが原因という。この薬の成分が、食欲を抑えることなく、代謝をアップさせる効果があるとみられている。
まず、人にも同様の効果があるかどうか確認が必要なうえ、肥満を抑制する薬には、心臓など他の器官・臓器に思わぬ副作用が出ることもあるため、今後十分な安全性の検証が必要となるが、身近な薬にこうした効果が発見されたのは驚きといえる。