今回のテーマは、結核【イケドクOL診療所】
国内でも年間2万人以上が発生しているといわれる、結核。子どものころは、BCG(結核の予防接種)のおかげで予防できていたけど、大人になるまでは効果が持続しないって知ってた?今回は、結核について、松本先生に教えてもらいました。
最近、結核のニュースが立て続けに聞こえてきます。昭和中頃までは「亡国病」といわしめるほどの流行がみられましたが、戦後は激減し、過去の病気のように扱われておりました。しかし近年、さまざまな要因で患者さんの数が増えていますので、要注意!結核についてちゃんと知っておきましょう。
結核は、結核菌を咳・くしゃみなどの形で外に排菌している感染者からうつります。通常の免疫力であれば、体内に菌が侵入しても、自分の免疫で結核菌を抑え込み、発病することはありません(冬眠状態)。しかし、免疫が未熟な乳幼児期やHIVなどの病気で免疫機能が弱っている状態では感染し、発病する可能性が十分あります。
また、かつては抑え込めていた体であっても、高齢により免疫が弱った状態になったり、ステロイドなどの免疫を抑える治療をされたりすると、冬眠していた菌が再燃し活動を始めます。
このたびニュースで取りざたされていたのは、症状が、長引く咳・痰・微熱であって、「治りの悪い風邪」という診断がなされ、「肺結核」という正しい診断が遅れたことでした。症状だけでは結核と診断するのは大変困難であり、街のクリニックにおいて、初診時から結核を疑って検査をするというアタマになりにくいのも事実です。感染しているかの診断には、従来からのツベルクリン反応検査(皮内注射して48時間後に判定)、または、最近では血液検査によるクオンティフェロン検査が用いられます。また、発病しているかの診断には、レントゲン・CTなどの画像検査、喀痰検査(スライドにひいて顕微鏡でのぞいたり、培養したり、遺伝子検査をします)があります。
結核は不治の病ではありません。複数の内服薬で治すことができます。発病してしまい、他の人に伝染する可能性のある(排菌している)患者さんは、残念ながら2カ月強の入院加療を要しますが、排菌していない患者さんの場合は通院で治療が可能です。
自己調節せず、決められた量をきちんと内服することが肝要です。また、乳幼児・小児期のBCG接種はこの時期の感染予防に有効です(効果は10年強とされています)。【PROFILE】
お名前(ふりがな):松本昌和(まつもとまさかず)先生
専門科:腎臓内科
年齢:35歳
勤務先:御徒町腎クリニック
好きな女性のタイプ:ショートカットが似合う人
初デートに連れていく場所は?:おいしいご飯が食べられるところ。
なぜドクターを志したのですか?:人助けに最高の仕事だとおもったから。
女性たちからイケメンドクターといわれることにどう思いますか?:
そう言ってくれる人が1人でもいたらホント嬉しいですね。
<2012年10月10日現在>