【名城大学】スイゼンジノリがつくる紫外線吸収物質を発見 ~天然由来の美容成分として化粧品分野への応用に期待~
【ポイント】
・スイゼンジノリの乾燥過程で生じる紫外線吸収物質「サクリピン」の発見 に成功。
・サクリピンがアンチエイジング効果(抗酸化活性、抗糖化活性)を示すことを実証。
・サクリピンの光異性化反応を発見。
【概要】
スイゼンジノリは、古くから日本で食用利用されているラン藻(シアノバクテリア)の一種で、九州地方の一部でしか分布が確認されていない日本固有種です 。環境省によって絶滅危惧 I 類に指定されており、収穫量が年々減少している希少種です。
名城大学大学院総合学術研究科の景山伯春教授 (分子生物学 の研究チームは、生産開発科学研究所、神戸薬科大学およびチュラロンコン大学と協力して、スイゼンジノリがつくる新奇な紫外線吸収物質を発見しました 発見 した物質「サクリピン」は、これまでにラン藻類で見つかっているマイコスポリン様アミノ酸などの既知の紫外線吸収物質とは構造が全く異なるものでした。サクリピンにはシス-トランス異性の関係にあるサクリピン A およびサクリピン B の2つの構造が存在することが分かりました。サクリピン A およびサクリピン B は日焼けや日焼けによる炎症を引き起こすUVA および UVB 領域の波長をよく吸収した上に、アンチエイジングに寄与する抗酸化活性・抗糖化活性を示しました。