【名城大学】スイゼンジノリ由来の紫外線吸収物質「サクリピン」の新たなスキンケア作用を発見
ポイント
・サクリピンが皮膚の老化に関与するエラスターゼ活性を阻害することを発見。
・サクリピンが肌の美容成分であるコラーゲンとヒアルロン酸の産生を促進することを発見。
・サクリピンが肌の美白効果(チロシナーゼ活性阻害、メラニン生成抑制)を示すことを発見。
・サクリピンが光および熱に対して安定な化合物であることを実証。
概要
スイゼンジノリは、古くから日本で食用利用されているラン藻(シアノバクテリア)の一種で、九州地方の一部でしか分布が確認されていない日本固有種です。環境省によって絶滅危惧 I 類に指定されており、収穫量が年々減少しています。
名城大学大学院総合学術研究科の景山伯春教授、本田真己准教授、内田美重大学院生らの研究チームは、2023年にスイゼンジノリがつくる新奇な紫外線吸収物質「サクリピン」を発見しました。その際、サクリピンが日焼けや日焼けによる炎症を引き起こすUVAおよびUVB領域の波長をよく吸収することと、アンチエイジングに寄与する抗酸化活性・抗糖化活性を示すことを報告しました。研究を進め、今回、研究チームは、サクリピンが有する肌質改善作用として、エラスターゼ活性阻害、チロシナーゼ活性阻害、メラニン生成抑制作用、コラーゲンおよびヒアルロン酸の産生促進作用を新たに発見しました。