若返りの鍵「マイトリガーゼ」と肌老化の関係を多角的に解明
図1 加齢によるマイトリガーゼの減少
2.「マイトリガーゼ」の減少による肌老化のメカニズムを深く追求
①マイトリガーゼの減少が「コラーゲン減少」の原因の一つに
マイトリガーゼを減少させた肌の細胞を用いて、コラーゲンに及ぼす影響を調べました。その結果、マイトリガーゼが減少した細胞では、コラーゲンの遺伝子発現量が減少し、コラーゲンを分解する酵素の遺伝子発現量が増加することが確認され(図2)、マイトリガーゼの減少が肌のコラーゲンを減少させる可能性が示されました。
図2 マイトリガーゼの減少とコラーゲン合成・分解との関係
②マイトリガーゼの減少が「老化マーカー増加」の原因の一つに
さらに、マイトリガーゼを減少させた肌の細胞を用いて、細胞自体の老化への影響を調べました。すると、マイトリガーゼが減少した細胞では、細胞老化の指標である老化マーカー(p16遺伝子)の発現量が増加し(図3)、マイトリガーゼの減少が細胞自身の老化を引き起こす可能性が示されました。
図3 マイトリガーゼの減少による老化の促進
③新知見、マイトリガーゼの減少が「肌細胞の動きを鈍らせる」
マイトリガーゼが減少した肌細胞の動画を撮影し、細胞が移動する速度を解析したところ、マイトリガーゼの減少によって細胞の移動速度が低下することが明らかとなりました(図4)。