「錠剤の小型化を実現するコンパクタブ技術に関する新たな知見」について 学会発表
当社で実施した生活者調査※によると、解熱鎮痛薬に対して「錠剤のサイズが大きい」と不満に感じたことのある方の割合は41.8%でした。また、このうち89.0%の方が「錠剤が飲みづらい」と感じていることが分かりました。
優れた効き目と服用のしやすさを両立させるためには、医薬品有効成分の他に含まれる賦形剤の添加を最小限に留める必要があります。そこで我々はイブプロフェンをモデル成分として、医薬品有効成分が有する難点の解消に効果的な賦形剤を選定し、最小限の賦形剤添加で良好な錠剤物性を確保する「コンパクタブ技術」について研究を進めてまいりました。
※調査期間:2021年7月13日~18日
調査手法:インターネットでのアンケート調査
調査対象:20~60代の一般生活者男女2,202名
イブプロフェンの錠剤強度改善に効果的な流動化剤の特性について
イブプロフェンの錠剤設計において強度確保が課題となるため,このイブプロフェンをモデル成分として種々の賦形剤を1%添加し錠剤強度への影響を検討しました。その結果、賦形剤のなかでも特定の流動化剤において錠剤強度を改善できることを見出しました(図1)。効果が得られた流動化剤に共通する因子として粉体のかさ高さが挙げられ、かさ高さの指標である充填率が低いものほど1%というわずかな添加でも高い錠剤強度改善効果が得られることが明らかになりました。