「錠剤の小型化を実現するコンパクタブ技術に関する新たな知見」について 学会発表
図1.イブプロフェンの錠剤強度に影響する流動化剤の特性
流動化剤によるイブプロフェン錠剤の錠剤強度改善メカニズムについて
流動化剤により錠剤強度の改善効果に違いが生じた要因を解析した結果、かさ高い流動化剤ほどイブプロフェン粒子表面に平滑な流動化剤粒子層を形成することが確認されました(図2)。
図2.流動化剤のかさ高さとイブプロフェン粒子表面の被覆状態の違い
イブプロフェンに充填率g 0.05未満のかさ高い流動化剤を1%加えると平滑な流動化剤粒子層が形成され、イブプロフェンの流動性が改善されました。これにより錠剤製造時にイブプロフェン粒子同士がより密着し、高い摩擦力が発生するため錠剤の強度を確保しやすくなったと考えられます(図3)。
図3.流動化剤によるイブプロフェンの錠剤強度改善メカニズム
充填率g 0.05未満のかさ高い流動化剤を用いるとわずな添加量でイブプロフェンの錠剤強度を向上させることができるため、より少ない賦形剤で錠剤の強度確保が可能となります。また、本知見を応用すれば、イブプロフェン以外の物性に難がある医薬品有効成分においても錠剤を形成するための賦形剤の添加を最小限に抑え、錠剤の小型化が可能になると期待されます。