するとその部分の静脈が瘤のようにふくれてしまい、表面からみると、足の血管沿いにぽこぽこと瘤が盛り上がっているように見えます。この下肢静脈瘤は、血管が盛り上がるだけでなく、足が重くだるく感じたり、むくんだり、かゆくなったりなどの症状があらわれます。放置しておくと、色素沈着や湿疹、潰瘍などがあらわれる場合もあります。
深部静脈血栓症
深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)は、エコノミークラス症候群とも呼ばれます。ふくらはぎの筋肉の間を通っている深部静脈の中の血液は、ふくらはぎの筋肉が動くことで、押し上げられ心臓まで戻ることができます。しかし、飛行機や長距離バスに乗っていて足を動かすことができなかったり、病気などで寝たきり状態が続いたりなど、同じ姿勢を長い間続けた後などに、足の静脈の中で血のかたまりである血栓ができてしまいます。この状態を深部静脈血栓症と呼びます。静脈の中でできた血栓は、その後、歩いたり動いたりして足を動かしだすと、血液とともに上に押し上げられ、場合によっては肺まで飛んで行くことがあります。
小さな血栓であれば、肺に飛んでも自覚症状もなく経過して行く場合も多いのですが、大きな血栓の場合は、それにより肺の血管が広範囲で詰まってしまう場合もあります。