しかし、使用上、ステロイド外用薬にはない制約や、粘膜やただれた皮膚などには使用できず、効果にも限界があるなどのデメリットがあるとされています。また、ウイルス感染症や細菌による皮膚二次感染などが考えられるなど、安全性が確保できていない理由から、妊婦や授乳中の女性、2歳未満の小児は使用しないようにしましょう。
プロアクティブ療法
再燃をくりかえすアトピー性皮膚炎に対して、症状の発現が急激に生じる時期を外用薬などによって落ち着かせた後に、保湿外用薬などによるスキンケアを続けながら、ステロイドやタクロリムス外用薬を週に2回程度定期的に使用します。このようにすることで、症状が落ち着いた状態を維持する治療法とされています。
かゆみに対して、外用薬との併用が考えられます。
抗ヒスタミン剤
かゆみで皮膚をかいてしまうことから皮膚炎が悪化したり、感染症を引き起こしたり、眼合併症などを誘発する危険性があるため、外用薬の補助的な療法として抗ヒスタミン剤を服用しかゆみを緩和させることがあります。
シクロスポリン
欧米の多くの国において、アトピー性皮膚炎に対しての有効性が認められているシクロスポリンですが、日本では強い炎症をともなう重症の成人アトピー性皮膚炎の患者に対してのみ使用が承認されています。