アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が衰えることによって、炎症や乾燥、かゆみなどの症状が現れるといいます。そのようなアトピー性皮膚炎の症状の改善に効果がある薬について、詳しく解説します。
アトピーの症状
人の皮膚に備わる機能には、熱や痛みを感じる役割を担う知覚作用や、発汗などによって行われる体温調節機能、細菌などの外敵やさまざまな刺激が体内に入り込まないように防御したり、体の中から体液が出ないように守ったりするバリアとしての役割などがあると考えられます。表皮のいちばん外側に存在する角層が皮膚のバリア機能を担っていますが、アトピー性皮膚炎の皮膚はこのバリア機能が衰えているといわれます。また、アトピー性皮膚炎の皮膚は、細胞間を埋める脂とされる角質細胞間脂質や水分を抱えこむ天然保湿因子などが減少していることが多く見られます。
バリア機能が衰えた状態の皮膚では、水分が体の中から蒸散しやすく、本来なら体内に入ってこない有害な抗原刺激が体の外側から侵入しやすい状態になっていることが考えられます。その抗原刺激が、異物の侵入を察知した免疫細胞と結びつくことでアレルギー性の炎症を生じさせる物質を生成し、アトピー性皮膚炎の炎症を起こすとされています。