ジーンクエストと新潟大学、ニンジンの摂取と低肥満度を結び付ける遺伝子型を同定
のGアレルをもつタイプにおいて、ニンジンの摂取頻度の増加と肥満度および肥満(の割合)の低下が関連していることが初めて明らかとなりました(図2)。肥満度との関連は、飲酒、喫煙、運動習慣、総野菜摂取などの、既知の肥満度と関連する因子の影響を除いても比較的強く維持されていました。
図2 ニンジンの摂取頻度およびrs4445711遺伝子型と肥満度・肥満者の割合の関連
さらに、rs4445711の影響を、男性と女性、年齢別に分けてそれぞれ解析した結果、男女間で影響に差はなく、若年でより強い関連が認められました。その他の野菜に関しても同様の分析を行いましたが、rs4445711と同程度に肥満度や肥満に相互的に作用するSNPはみられませんでした。
ニンジンにはカロテノイドが豊富に含まれており、βカロテンの血中濃度は糖尿病やがんの発症、インスリン抵抗性を含む炎症系の指標と関連することが報告されています。なお本研究は、ニンジンの摂取頻度を増加させることで肥満度が低下するかを直接証明したものではなく、また、全エネルギー摂取量や調理法を含むニンジンの摂取方法、血中のカロテノイド濃度の情報などが含まれないことから、今後は、これらの要因の影響を含めたさらなる前向きの検討が期待されます。