座っている時間を1時間減らして身体活動に充てると脂肪肝である可能性が2割減と試算
1914名を分析対象としました。研究参加者は腰に活動量計を装着し、普段の座位行動時間と身体活動時間を測定しました。脂肪肝の評価には、腹部エコー検査を用いました。身体活動量と非アルコール性脂肪肝との量反応関係を調べるために、3次スプライン解析を用い、年齢、性、学歴、経済状況、配偶者の有無、喫煙の有無、野菜摂取頻度、家族の肝疾患歴、収縮期血圧、総コレステロール、空腹時血糖、高血圧治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、BMI、活動量計装着時間の影響を調整しました。また、組成データ解析により、1日の行動時間が持つ相互依存性を考慮した検討を行いました。
■結果(1) 量反応関係の検証
3次スプライン解析の結果、中高強度活動量が多いほど、非アルコール性脂肪肝である可能性が減少し、この抑制的関連性は、特に約1800メッツ・分/週(約1日1時間の活動時間に相当)まで強いことがわかりました。一方、低強度活動(歩行強度未満の身体活動)量は、非アルコール性脂肪肝に対し、有意な関連性を認めませんでした。
結果(1)
■結果(2) 置き換え効果の検証
組成データ解析の結果、1日の座位行動時間を30分減らし中高強度活動に充てた場合は、非アルコール性脂肪肝である可能性が13%減少し、もっと頑張って1時間を同様に行動変容した場合は22%減少すると試算されました。