新型コロナウイルスに対する唾液抗体検査の有用性を示唆(PLOS ONE誌(電子版)にオンライン掲載)いい唾液の日に概要を発表
研究の内容
新型コロナウイルスに対して反応するIgAが唾液中に認められることから、新型コロナウイルスに対する免疫機構の一つが口腔に存在することが明らかになりました。また、その陽性率は、46.7%(136人中64人)でした。さらに、年齢と抗体量(相対値)の関連を統計解析すると年齢と抗体量が逆相関を示しました(r = -0.218, p = 0.01)。また、24-49歳と50-65歳の2群に分けて解析すると有意差(p = 0.008)があり、唾液中のIgAは若い世代に多く高齢者に少ないことが明らかとなりました(図1)。予備的な試験で、この新型コロナウイルスに対する唾液中のIgAは、部分的に新型コロナウイルスS蛋白とACE2の結合を抑制することも明らかになりました。
本研究成果は、2021年11月23日午後2時(現地時間)にPLOS ONE誌(電子版)にオンライン掲載されました(PLoS One. 2021 Nov 23;16(11):e0249979.doi: 10.1371/journal.pone.0249979. eCollection 2021.)。
さらに、新型コロナウイルスに対するワクチン後の唾液中のIgGには、中和抗体を含むことも明らかになっており(図2)