2021年12月6日 10:00
グアーガム分解物、糖尿病モデルマウスのサルコペニア肥満を抑制することが明らかに 第19回日本機能性食品医用学会総会で発表
また、PHGGがサルコペニア及び肥満に有効であった機序として、便、血液中の短鎖脂肪酸※4の増加、筋肉中の分岐鎖アミノ酸※5の上昇、飽和脂肪酸※6の排泄の増加、骨格筋の筋萎縮関連遺伝子の発現低下および小腸の炎症関連遺伝子の発現低下、小腸粘膜固有層※7における炎症細胞の減少が明らかとなりました。
PHGGの握力および骨格筋(ヒラメ筋・足底筋)への作用
4. 考察と今後の展望
本研究では動物モデルにおいてグアーガム分解物がサルコペニア肥満予防効果を持つことを確認し、その効果発現機序を明らかにしました。今後ヒト試験によるグアーガム分解物のサルコペニア肥満予防効果の実証試験が期待されます。
■用語説明
※1 サルコペニア肥満
筋肉量が減少し、身体機能が低下した状態(サルコペニア)に肥満が加わったもの。肥満により引き起こされるインスリン抵抗性や炎症がさらなる筋肉量や筋力の減少をもたらし、身体機能を低下させる悪循環に陥りやすい。生活機能の低下、転倒、骨折、死亡などをきたしやすく、要介護のリスクも上昇する。
※2 ガラクトマンナン
マンノースの主鎖にガラクトースの側鎖が結合した多糖類。一方、日本で広く普及している難消化性デキストリンやイヌリンなどの水溶性食物繊維はグルコースやフルクトースから構成されている。