2023年4月28日 11:00
名古屋大学との産学協同研究講座においてビフィズス菌 Bifidobacterium adolescentis SBT2786 が睡眠を促進することを確認-学術雑誌「Genes to Cells」に掲載されました-
【研究内容】
研究の結果、睡眠を促進する作用が最も大きい菌株としてBA2786を選別し、さらに調べたところ、以下のことが分かりました。
・BA2786は、加熱殺菌してもショウジョウバエの睡眠を促進すること。
・BA2786と同じ菌種であるBifidobacterium adolescentisに属するにもかかわらず、睡眠促進効果の弱い菌株があり、この菌株と、BA2786についてショウジョウバエの遺伝子発現に及ぼす変化を比較解析した結果、BA2786を摂取したショウジョウバエにおいてインスリン受容体の遺伝子発現が亢進していること。
・BA2786の睡眠促進作用の一部は、インスリン経路を介している可能性があること。
インスリン経路はショウジョウバエと哺乳類で類似しています。このことは、BA2786が哺乳類に対しても睡眠を促進する可能性を示唆するとともに、今後BA2786の睡眠促進作用についてより詳細に調べることでインスリン経路と睡眠の関係の理解が深まると考えられます。
◆用語説明
※1 Bifidobacterium adolescentis(ビフィドバクテリウム アドレセンティス)