2024年2月22日 09:30
心の不調を予防する「メンタル保健室」2024年2月に開設 ~桂乃貴メンタルヘルスケア株式会社 代表 渡部貴子氏~
渡部貴子氏 (C)Benjamin Lee
〇訪問医療への「土壌づくり」
全世代の在宅療養者を対象とした訪問看護が始まったのが1994年。その後、2000年から介護における訪問看護が始まった。渡部貴子氏が「訪問医療」に関わったのは、1997年。千葉のがんセンターでの勤務を経て一次的に休職していた際、医療従事者である妹の務め先(整形外科)で「往診の補助についてくれる看護師がいない」とお呼びがかかったのだ。
「前職で家に帰れず亡くなる人々を看取っていたこともあり、地域での医療に興味はありました。今でこそ訪問看護は当たり前ですが、当時はとても珍しかったのです。外来に来られない患者さんの家を訪ねるうちに、訪問看護の必要性を実感するようになりました」
折しも、訪問看護の制度が出来ていく段階―訪問看護ステーションを作るに当り、国から予算が付き始めた時期のことだ。
4年勤め、辞める頃には大学や専門学校での講師経験も出来ていた。
次を考えるタイミングで、医療コンサルを手掛ける社長から声が掛かった。「在宅医療を教えてほしい」
必然的な在宅医療の訪れだった。渡部氏はコンサルタントとして参加し、クリニックの中に訪問看護ステーションを立ち上げ、自ら直接看護もする「プレイングマネージャー」