“くるみ”をはじめとするオメガ3脂肪酸が豊富な食品の摂取は、アルツハイマー病の予防に大きな役割を果たす可能性が最新研究から示唆されています
さらに参加者が回答した、検査より数週間前の食事に関する自己記入式の調査票を分析し、脂肪酸が多く含まれる食品の摂取量を推定しました。本調査票の記入データが不完全な参加者と摂取総エネルギー量が基準外の参加者249名は、解析対象から除外した上で、最終解析が実施されています。
そして本研究結果では、解析対象となった参加者全体の傾向として、くるみをはじめとする植物性食品由来のオメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸(ALA)が、脳の主要な領域におけるグルコースの取り込みを高めることが明らかになりました。なかでも、アルツハイマー病のリスクが高い遺伝的背景のある参加者は、より顕著な傾向を示しました。一方で、海産物由来のオメガ3脂肪酸であるドコサヘキサエン酸(DHA)は、いまだ発症はしていないものの、アルツハイマー病特有のタンパク質(アミロイドやタウと呼ばれるタンパク質)の蓄積がすでに始まっている参加者のみ、同様の効果が認められました。
同研究結果について、デルマール病院医学研究所の主任研究員であるアレイス・サラ=ヴィラ博士は、「くるみをはじめとするオメガ3脂肪酸を豊富に含む食品が、アルツハイマー病の前兆となる脳内の変化を抑制する可能性があるという考えを、今回の結果がさらに支持するものだと捉えています」