加齢性疾患の予防・進行抑制に向け、予防医学の新たな可能性 FPP(パパイヤ発酵食品)によるNrf2の活性化について発表
大里研究所(所在地:岐阜県揖斐郡, 理事長:林 幸泰)は、FPP(パパイヤ発酵食品)の有する優れた抗酸化・抗炎症・免疫調整作用がNrf2活性化由来であることを示唆した論文を、イタリア・ReGenera R&D International for Aging Interventionのマロッタ博士らとの共同研究(1)により発表したことをご報告いたします。
(2024年11月発刊 査読付学術誌Functional Food Science掲載)
この臨床研究では、中・高齢者(43-75歳)における、生体防御の要として働く転写因子Nrf2に対するFPPとビタミンEの効果を6ヶ月間にわたり比較検討しました。その結果、FPPでのみNrf2活性に関する遺伝子発現が増加することが明らかになりました。これにより、慢性炎症や加齢関連疾患の予防・進行抑制に向けて、食品による新たな可能性が示されました。
(図1)Nrf2の活性化による効果
■Nrf2とは
Nrf2は、細胞内に存在しストレスに反応して活性化される転写因子(遺伝子の発現を制御するタンパク質)です。酸化ストレスなどを感知すると核内に移動し、抗酸化酵素や解毒代謝酵素の発現を調整するほか、炎症を引き起こすサイトカイン遺伝子の発現を低下させる働きなど、細胞を保護する役割を担っています。