妊娠中に抹茶を飲んでもOK?注意したい成分はカフェイン以外にも…!
が起こるという報告があります。一方で、妊娠中にビタミンAが不足すると、赤ちゃんの成長を妨げたり、骨や歯の発育を妨げることがあります。ビタミンAは、妊婦さんもおなかの中の赤ちゃんも体内で合成できないため、妊婦さんが適量を食事から摂り入れたほうが良い栄養素です。
厚生労働省は、妊娠3カ月以内または妊娠を希望する女性は、過剰摂取をしないように注意喚起していますので、ビタミン類の摂取を目的に抹茶を飲むことは避けましょう。なお、国民健康・栄養調査報告(平成29年)によると、一般的な日本人の食事であれば、ビタミンAの過剰摂取や不足は起こらないことがわかっています。抹茶の場合、1日当たりコップ1杯(180~200ml)程度の量であれば、ビタミンAの過剰摂取にはなりません。
・カテキン
抹茶に限らず、緑茶やウーロン茶、紅茶などのお茶類に含まれるお茶の渋みの元になる成分です。カテキンには、胎児の形成に不可欠なビタミンB群の水溶性ビタミンである葉酸の働きを阻害する作用があるという報告があるため、特に妊娠初期は抹茶などのお茶類ばかりで水分補給をしないように気をつけましょう。
また、カテキンはポリフェノールの一種です。ポリフェノールは妊娠中に過剰摂取すると、胎児の動脈管収縮作用があると報告されています。これは、ポリフェノールを含む飲み物を、毎日のように常識を超える量を摂取していた場合に胎児に影響があったという報告です。日常的にお茶類を飲む場合は、1日1~2杯程度であれば問題ありません。
・タンニン
カテキンが酸化して合わさったものがタンニンです。抹茶に含まれるタンニンの作用によって、吐き気や気分不快を起こす原因となることがあります。妊娠中につわりがある時期や胃腸の調子がすぐれないときは、抹茶を飲むことは控えましょう。
以前は貧血と診断されて処方される鉄剤を内服する際に、お茶類に含まれるタンニンが鉄の吸収を妨げるため、お茶で飲んではいけないといわれていましたが、妊娠中に起こりやすい鉄欠乏性貧血の場合は、体内で鉄分を取り込む機能がパワーアップしているためにタンニンの影響は少ないという報告に基づいて、現在では絶対禁止にする必要性はなくなりました。
ただし、妊娠中に胃腸の調子がすぐれないときに鉄剤を内服する際には、胃腸への負担を少なくするために、抹茶で服用することは避けましょう。