【医師監修】30~40代の女性に多い「子宮筋腫」。妊娠への影響は?
筋腫核出手術には、おなかを切っておこなう開腹手術と、腹腔鏡という機械を使った手術の2通りの方法があり、個人の状況に合わせて手術法が選択されます。腹腔鏡手術のほうがおなかの傷が小さく、また術後の回復が早く、腹腔内の癒着が起こりにくいというメリットはありますが、腹腔鏡手術を受けるためには筋腫の大きさがおよそ10cm以内という制限があるのが一般的です。
いずれの方法で手術しても、筋腫の場所や大きさによっては、その後妊娠したときにその部分が薄くなり、分娩の方法は帝王切開が選択される可能性が高くなります。
まとめ
子宮筋腫は30代以上の女性の20~30%がもっている、ありふれたものです。できている場所や大きさによって、月経量が増えたりするなどの症状が出る場合もありますが、症状のない人もたくさんいます。妊娠したいと思うときに筋腫が大きくなっていたりすると、妊娠しにくい原因となったり、また妊娠しても流産・早産の原因となることがあります。
したがって、普段から婦人科健診を受けておくことが大事で、筋腫が見つかった場合には定期的な健診が必要です。場合によっては、妊娠するより前にあらかじめ筋腫を取る手術を受けることが選択肢となる可能性があります。
■参考
・株式会社メディックメディア『病気がみえる Vol.9 婦人科・乳腺外科 第3版』p.132-141
・日本婦人科腫瘍学会子宮筋腫
監修者:医師 産科婦人科福岡医院院長 福岡 正恒 先生
京都大学医学部卒。同大学院修了後、京都大学助手、講師を経て、平成11年より産科婦人科福岡医院院長。京都大学在職中は、婦人科病棟や産科病棟などを担当。またこの間、英国エジンバラ大学・生殖生物学研究所に留学。日本産科婦人科学会・産婦人科専門医,京都大学医学博士