「アレルギーが心配」赤ちゃんに起こりやすいアレルギーは?予防法は?
どのような食材でもアレルギー症状を起こす可能性があります。保険診療内で調べられる食材といっても何十種類もありますが、アレルギー検査でアレルギーがあるとわかっても、なんの症状も起こらず食べられることもあります。0~2歳児の場合、アレルギー検査の結果と症状が一致しないことがあります。また、多少のアレルギー症状があっても、食べ続けることで症状が出にくくなることもわかっています。
深刻な食物アレルギーをもつご家族がいてアレルギーについて心配な場合は、小児科医あるいは皮膚科医へ相談しましょう。
食物アレルギーの有無を診断するという目的でIgG(アイジージー)抗体を調べることをすすめる医療機関や検査機関がありますが、この検査は日本小児アレルギー学会では推奨していません。海外のアレルギー学会でも、意味のない検査として公式に否定されています。
IgG抗体はアレルギーのない健常な人にも存在します。
アレルギーを起こす物質に対して作られるIgE(アイジーイー)抗体とは異なりますので、検査項目や説明に惑わされないように注意してください。
まとめ
2歳ごろまでの赤ちゃんに起こりやすいアレルギーは食物アレルギーとアトピー性皮膚炎です。アレルギーを予防するために、生後間もない時期からスキンケアを続けて、皮膚を健やかに保ちましょう。気になる症状があれば、小児科あるいは皮膚科を受診して相談しましょう。
参考:
・厚生労働省授乳・離乳の支援ガイド2019年改訂版
・日本小児アレルギー学会
・日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会作成 食物アレルギー診療ガイドライン2016ダイジェスト版
・公益財団法人日本アレルギー協会
原稿監修/松井 潔先生(小児科医・ 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長)
監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生
愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。
著者:助産師 古谷真紀
一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー。