父親にしてもらいたい皮膚感覚のお世話【保育士おとーちゃんコラム9】
それでも幼少期からのこうした皮膚感覚のお世話を通した信頼関係のあるなしは、ここに何がしかの影響を与える可能性があります。
このことは、さらに父親自身の人生のあり方に対しての影響へとつながってきます。
昭和の時代にありがちだった父親が子育てにあまり参加しない家族の形を作ってきてしまった男性が、リタイア後感じていることのひとつに家庭における疎外感があります。自分の居場所が家庭の中に感じられないというものですね。
そうした疎外感を、レジャーやモノを買ってあげることを媒介として補おうとしても、そうそう簡単に埋まるものではありません。
子どもの幼少期のお世話は、子どもにとっては皮膚感覚という理屈ではないところで記憶されるものです。また、母親からすると慣れない育児や出産に不安や心配のとても多い時期でもあります。このときに父親がどれほど積極的に子育てに参加していたかは、子どもにとっても母親にとっても後々になっても大きな意味を持ちます。
お世話を続けるうちに子どもからの信頼感に気づけるように
子どもへのかかわりをどうしたらいいかわからないというところで、ついつい子育てに積極的になれない人も少なくないと思います。ぜひ、できるものからでいいので皮膚感覚のお世話を意識して取り組んでみてください。
下手でいいんです。だれだって、子どもの対応は最初うまくないものです。うまくなくていいのでやってみてください。
続けている内に、子どもの様子も変わってきます。また、皮膚感覚のお世話をすることでの子どもからの信頼感というもののあることにだんだんと気づけるかもしれません。うまく言葉で表せませんが、これはとてもいいものです。
中途半端はNG!最後までしっかりやることが大事
最後にひとつヒント。夫婦間の子育てギャップとして、たくさんお母さんたちの口から聞こえてくることがあります。
それは、
「お父さんはやったつもりになっているのだけど、いつも後始末は私が大変な思いをしてやっているのよね」
というものです。
お父さんからすると、「自分は頑張っている」。
お母さんは「後始末で大変な思いをする」。
こうなってしまって、子育てにおける行き違いが生まれ、それが積み重なるとだんだん大きくなってしまいます。