父の不倫に苦しめられて育った私。第一子を授かったとき不安感に襲われた
私の両親は、離婚しています。結婚生活は約20年。しかし、その大半は夫婦関係が破たんしていました。その原因の1つは父の不倫です。つまり私は「不倫していた親」を子どもの立場から見ていたことになります。少し重い話になってしまうかもしれませんが、私の体験談をご紹介します。
私の誕生前後に、父の不倫が発覚
今もなお、母は当時のことは一切話しません。そのため、複数の親類から聞いた話なのですべてが真相かどうかわかりませんが、母が私を出産したころ、父の不倫が発覚したそうです。
父は仕事もやめ、相手の女性とともに駆け落ちしてしまったため、母は産後すぐに働かざるを得なくなりました。その後、紆余曲折を経て父は母の元に戻りましたが、その後も苦難は続きました。
繰り返す父の不倫に苦しめられる
父と一緒に保育園の遠足に行った記憶があるので、おそらく3~4歳からは再度一緒に暮らし始めたのだと思います。
しかし、同時に父と母のいさかいのシーンも鮮明に記憶しています。楽しいという記憶はひとときもありません。そして私が高校に入学したことを機に、両親は離婚。その間10年以上、父は不倫相手と関係が続いていたのか、新たな相手ができたのかわかりませんが、何度も家出をしては問題を持って帰ってくる……の繰り返しでした。
自分が親となるときによみがえる不安
その後、父のことは努めて忘れるようにしていました。しかし、私が第一子を授かったころ、「夫も父のように不倫してしまったらどうしよう」「父と同じ血が流れている私がしっかりとした親になれるのかな」という、とめどない不安感に襲われるように。夫に疑う余地など一切なかったのですが、当時の記憶がよみがえってきてしまったのです。
このようにどんなに時が経っても、ずっと苦しめ続けられているという現状があります。テレビなどで不倫の話題を聞くたびに、私は当の本人のことよりも子どもたちのことが心配になります。私のような思いをする子どもが1人でも減ることを祈ってやみません。
イラスト:imasaku
著者:東慶子
三児の母。育児のかたわら、アンガーマネジメントキッズインストラクターの資格を取得。
自身の育児経験に生かすとともに、将来的には子ども向けの講座を開催したいと考えている。