冬の嘔吐下痢はアルコール消毒じゃ効かない!感染を防ぐには?【3児ママ小児科医が解説】
(最近、アルコールがノロウイルスに似たウイルスの不活化に効果があるという報告が厚生労働省から出ていますが、さまざまな条件が必要です)
ロタウイルス、ノロウイルスに効く消毒法とは?
ロタウイルス、ノロウイルスに対する消毒は、次亜塩素酸や次亜塩素酸水など酸性の消毒剤が効きます。次亜塩素酸水でも中性のものは効かないので、次亜塩素酸が良いというよりは、「酸性の消毒が効く」と考えられています。
また、胃腸炎に関しては、
①しっかり洗い流すこと
②しっかり拭き取ること
③加熱処理
の3つが有効です。例えば、ノロウイルスと似たA型肝炎ウイルスだと、85℃1分間の加熱で失活すると言われています。
家でできる感染対策方法は?
私が実際、子どもが嘔吐してしまった際に家でやっていた処理方法はこんな感じです。
①おむつ替えのときは手袋をする
②汚れた衣類やシーツは次亜塩素酸水スプレー(弱酸性のものを選びます)
③洗濯のときには汚染物だけ洗濯し、乾燥機をかけ、しっかりと乾かす
④手洗いを念入りに長くする(30秒以上)
でした。さらに念を入れたい場合は、スチームアイロンなどで消毒するといいと思います。ポイントは
①触らない
②酸性で消毒
③熱で消毒
です。
詳しくは、厚生労働省のホームページ「ノロウイルスに関するQ&A」を参考にしてみてください。感染症の正しい予防法、感染対策を知って、流行期を乗り切りましょう!
著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生
医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。
小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。
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