産後の抜け毛がひどい…いつまで続くの?出産後脱毛症について医師が解説
じょうずに周囲の協力を得て、わずかでもリラックスできる時間を持つようにするなど、ストレスをためないようにすることも大切です。
健康的な髪の毛を生えさせるためには、十分な栄養と睡眠をとることも大切になります。栄養バランスの良い食事を心がけ、特に髪にとっての3大栄養素といわれるたんぱく質とビタミン、亜鉛をしっかりとるようにしましょう。数時間おきの授乳や夜泣きなどで睡眠をとりにくい状況も多いかもしれませんが、家族の協力を得て睡眠時間を確保することも大切です。
また、頭皮そのものに注意を払うことも対策になります。日常的に使うシャンプーやトリートメントも頭皮に負担をかけるものは避け、アミノ酸系界面活性剤のように、頭皮や髪にやさしい成分を使っているものを選ぶのも方法の一つです。血流を良くするために頭皮マッサージをするのもいいでしょう。髪の毛や頭皮に負担をかけるパーマやヘアカラーはしばらく控えたほうが安心です。
抜け毛がひどい場合、どこに相談すべき?
さまざまな対策を施しても抜け毛がひどい場合、まずはかかりつけの産婦人科医に相談してみましょう。特に、ほかの原因がなく抜け毛の量が妊娠・出産にともなって起こる抜け毛として通常の範囲内ならば、特別な対策は必要ないこともあります。
しかし、原因がほかにあれば、原因に対処するために内科や皮膚科、精神科などを受診する必要が出てくる場合もあります。また、女性の薄毛や抜け毛を専門にしているクリニックもあるので、相談してみるのも一つの方法です。
まとめ
出産後は、かわいい赤ちゃんに恵まれ、育児に忙しいながらも幸せな時間を過ごせるでしょう。しかし、びっくりするような抜け毛が続くと幸せな気持ちにも水を差され、不安になることもあるはずです。異常がなければ産後の抜け毛は2~3カ月で治まりはじめ、半年から長くても1年経つと元に戻ります。自分でできる抜け毛対策はおこない、手に負えないことがあれば専門家に相談するようにしましょう。
監修者:医師 医療法人至誠会 梅田病院院長 北川 博之 先生
昭和56年愛媛大学医学部卒業。その後愛媛大学付属病院にて産婦人科講師、助教授として勤務。愛媛県立医療技術大学教授を経て、平成20年より現職の梅田病院に院長として就任。現在も愛媛大学、広島大学などで非常勤講師として教育にも従事。