緊急帝王切開っていつなるの!?妊娠出産はいつ何が起こるかわからない?
帝王切開術(以下帝王切開)には、出産する前から帝王切開で分娩することが決まっている予定帝王切開と、お母さんもしくはおなかの赤ちゃんの健康状態や分娩の進行に問題が起きたために分娩となる緊急帝王切開があります。経腟分娩で出産予定だった方は、急に帝王切開が決まると不安が大きいですよね。出産前に緊急帝王切開になることも想定して、知っておくと安心だと思います。今回は、緊急帝王切開となるケースや費用、赤ちゃんへの影響についてお話ししていきます。
緊急帝王切開とは?
緊急帝王切開とは、お母さんやおなかの赤ちゃんの健康状態が悪くなり、このままではお母さんと赤ちゃんともに障害が発生する可能性が考えられる、もしくは経腟分娩では分娩が難しいと判断されるときにおこなわれる分娩方法です。経腟分娩と違い、おなかを切って赤ちゃんを取り出すことになります。
緊急帝王切開となるケースは?
緊急帝王切開とは、どのようなときにおこなわれるのでしょうか。主なケースをご紹介します。
今後の分娩進行が期待できない長時間にわたる分娩、分娩の停止、破水症例
分娩時間が長くなれば、それだけお母さんは体力を消耗してしまいます。陣痛間隔が10分以内であるにもかかわらず、陣痛が弱いことや産道や骨盤が狭い、もしくは赤ちゃんが大きくて通れないなどで分娩がなかなか進まないことがあります。
一般的に、初産婦さんで30時間以上、経産婦さんで15時間以上かかっていると遷延分娩(せんえんぶんべん)であると考えられます。すでに破水している場合は子宮の中に細菌が入りやすくなるため、感染のリスクも上がります。そのため、破水後も陣痛が弱い場合には、お母さんとおなかの赤ちゃんの状態を診ながら陣痛促進剤を使ったり、時間がかかりそうな場合には緊急帝王切開での分娩が選択されます。
重症な妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群とは、妊娠中に高血圧になるか高血圧に加え蛋白尿が出る疾患です。重症な合併症に赤ちゃんの発育に障害が起こる(子宮内胎児発育遅延)、赤ちゃんが出てくる前に胎盤が剥がれてしまう(常位胎盤早期剥離)、けいれんが起こる(子癇/しかん)などがあります。
軽症かつ赤ちゃんが未熟な場合には安静にすることや血圧を下げる薬を使って、治療をおこなっていきます。