日本でも妊婦さんが新型コロナウイルスに感染…。感染後の対策は!?
令和2年4月6日、千葉県で20代の妊婦さんが新型コロナウイルスに感染したという報道がありました。もし、妊婦中に新型コロナウイルスに感染したら……。今回は、日本産婦人科感染症学会や日本新生児成育医学会が提案している対応についてご紹介します。
妊婦さんが新型コロナウイルスに感染したら重症化しやすい!?
現時点では妊娠後期に新型コロナウイルスに感染したとしても、経過や重症度は妊娠していない人と変わらないとされています。
しかし、一般的に妊娠中は免疫機能が低下しやすいことや、大きくなった子宮に横隔膜が持ち上げられ、呼吸が抑制されたり、うっ血(血液の流れが悪くなり、静脈の血が異常に多くたまった状態)しやすいことから重症化する可能性があるとしています。
妊婦さんの呼吸状態が悪化すると、おなかの中の赤ちゃんにも十分な酸素が供給されず、状態が悪化してしまうおそれもあります。
出産はどうなる?
日本産婦人科感染症学会によると、妊娠末期(分娩前)に新型コロナウイルスに感染した場合、指定医療機関で分娩をおこなうことになるとしています。そして、ママと生まれた赤ちゃん共に新型コロナウイルス陰性が確認されるまで面会も授乳もできないとしています。
■感染症指定医療機関の指定状況(平成31年4月1日現在)
また、主治医の判断により感染の有無にかかわらず、ご家族の立ち会い分娩や面会は感染予防のため極力控えてもらうようになるようです。
参考:■日本産婦人科感染症学会「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について 妊娠中ならびに妊娠を希望される方へ 」
新型コロナウイルスによる母子への影響は?
日本新生児成育医学会では、
・新型コロナウイルスに感染した母親9 人において子宮内感染はなかった
・新型コロナウイルス肺炎を発症した母親から生まれた赤ちゃんは、子宮内感染はなかったものの因果関係までは明確にされていませんが、死亡、胎児機能不全、早産出生、呼吸障害、血小板減少、DIC などがあった
・その後も、子宮内感染が起こりやすいことを積極的に支持する報告はない
・中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS)感染妊婦からの出生児と似ている・新型コロナウイルス感染に関連する周産期および出生後早期の新生児領域に関する情報は非常に限られている
という海外の報告を紹介しています。