ここでは出生前診断が当たり前。有無も言わせず診断されることに困惑も…
国や人種によっては文化の違いもあり、生死の考え方や道徳もまるで違います。そんな異国フランスで、有無も言わせずに強制的に受けた出生前診断。フランス人夫との意見や価値観も違い、診断結果が出るまでひたすら悩んだ私の経験談をお伝えします。
当たり前なの!? 必須項目の出生前診断
妊娠が判明したフランスで出産することを決めた私は、文化の違いにびっくりしました。その1つが出生前診断。日本では任意なのに、フランスでは私が35歳ということもあり、必須項目でした。
日本だと出生前診断そのものを受けることもまだ積極的におこなわれていないと感じるなか、有無も言わせずに診断されることに戸惑いさえありました。また、診断結果で異常があれば人工妊娠中絶を選択することはOKであり、ほとんどの方が産まない選択をされています。
検査はいたって簡単!
出生前診断の検査は、超音波検査と採血のみでした。超音波で赤ちゃんの様子を確認し、採血で染色体異常の有無を検査します。特別なことはせず、痛みも伴わないので私自身「え? これで終わりなの?」と拍子抜けでした。
超音波検査は、実施したその日に医師から結果が伝えられ、採血は1週間後に結果が出ます。超音波は60%、採血は95%の確率で染色体異常の有無がわかると医師から聞いていたので、さすがに採血の結果が出るまではすごく緊張し、何度も夫と話し合いました。
夫婦2人の意見でもこんなに違う!
診断結果が出るまでは心配で、「異常があったら私はどうするんだろう……でも赤ちゃん産みたい!」。こんな感情がグルグル。でも、夫は「異常があれば産まない、当たり前だよ。親も子も苦労する必要ない」とキッパリ。話は平行線のまま、答えは出ませんでした。フランスは日本に比べ、「死」は人生のなかのできごとであり、受け入れている方が多いように感じます。
また、人工妊娠中絶についても法律で認められており、医療保険対応。女性保護団体活動が盛んなフランス社会では、人工妊娠中絶も1つの選択肢のようです。
診断結果は病院から郵送で通知がきて「異常なし」でした。2人で喜んですごく安堵したことを覚えています。
私の場合は国が違うということで出生前診断は強制的でした。