子育て情報『臨月に入ったある日、突然亡くなったわが子。悲しみを乗り越えて』

臨月に入ったある日、突然亡くなったわが子。悲しみを乗り越えて

 

それでも仕事は待ってはくれませんでした。心も体もまったく回復していないのに、産休はあっという間に終わってしまったのです。1日のうちに気持ちがジェットコースターのように上がったり下がったりを繰り返し、自分の気持ちをコントロールすることがとても難しく思いました。仕事の帰り道、「ああ、こうやってうつになっていくのかな」とふと考えることもありました。目の前の仕事をこなし、忙しさに身を任せていたら月日は勝手に過ぎていきました。

2人目の妊娠

もう一度、子どもが欲しいと思えるまで1年かかりました。友だちの何気ない言葉に励まされ、妊娠する決心ができました。子どもの死を経験するまでは、妊娠して出産するのは当たり前にできることだと思っていましたが、2人目の妊娠中は出産するそのときまでずっと不安がついてまわりました。


赤ちゃんの産声を聞いた瞬間は、感動し過ぎて涙は出ませんでした。前回の出産のときに全部流しきってしまったのかもしれません。出産は大変だけど、こんなに愛おしい気持ちになれるから、みんな頑張れるんだと思いました。温かく、必死に生きている赤ちゃんを見て、お姉ちゃんの分まで大切に育てようと心に決めました。

1人目のときも2人目のときも妊娠経過は順調で、今でも何が原因で亡くなったのか、どうして2人目の子は元気に生まれてきてくれたのか自分でもわかりません。それぞれの運命だったとしか……。ただ私が言えるのは子どもを亡くしたときにそこで諦めて立ち止まっていたら、今の子どもには一生会うことはなかったということです。つらいときは気持ちも目の前も真っ暗でしたが、自分の子どもを見たとき、自分はこの子に会うために生まれてきたんだと思えるくらい素晴らしい気持ちになりました。
命の大切さ、命があることに感謝することの大切さを教えてくれたこのできごとは、私には必要な経験だったのかもしれません。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 

監修/助産師REIKO

著者:八代 華

8カ月の娘と育休消化中。

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