2021年2月26日 15:30
「母親失格?」まじめな母親が陥りやすい「上の子可愛くない症候群」と向き合う【ラクになる育児】
東京衛生病院の小児科医、私生活では8歳・6歳・4歳の子育て中という3児のママ小児科医保田典子先生のコラム。今回は、「上の子可愛くない症候群」についてお話ししてもらいました。
こんにちは、小児科医の保田典子です。私生活では8歳、6歳、4歳の子どもを子育て中の3児の母です。今日は、きょうだいが増えたときの上の子への接し方の問題です。子どもが増えたときに「上の子が可愛くない」と思ってしまったことはありませんか。こんなとき、どうするかお話をしたいと思います。
「上の子可愛くない症候群」とは?
「上の子可愛くない症候群」はきょうだいが生まれたあと、上の子が可愛く思えない、冷たい態度をとってしまうような状態のこと。
もちろん、医学的にはこんな病気はありませんが、きょうだい児をもつ親御さんによくあります。
外来で診療をしていても時々「お兄ちゃん/お姉ちゃんが可愛くなくってしまって……」とお話しされるママがいらっしゃいます。
下の子よりも上の子にイライラしてしまうのはよくあることですが、「上の子が可愛くない」「そんなことを思ってしまう自分は母親失格」だと思ってしまう「上の子可愛くない症候群」は、家事も育児もしっかり頑張っている真面目なママが多いと感じます。
なぜ、上の子が可愛くないか、イライラしてしまうか
では、どうして「上の子が可愛くない」と思ってしまうのでしょうか?
それは、イライラしたり、怒るということは「自分の理想やあるべき姿よりも劣っている状態」だからです。
まだ生まれたばかりの赤ちゃんに「こうあるべき」とは思いませんよね? ギャン泣きして、「早く泣き止んでほしい」とは思っても、それがどうしようもないこともわかっているので、可愛くない、とまでは思わないことが多いです。
反面、お兄ちゃん、お姉ちゃんは年齢が上で「お兄ちゃんならひとりでお支度できる“べき”」「お姉ちゃんなら下の子の面倒をみてくれる“べき”」という気持ちが(ママが明確に思っていなくても)深層心理であるため、それに沿わない行動をされるとイライラしたり、可愛くないと思ってしまいます。
さらに、上の子(特に初めての子ども)だとママも初めての子育てで、「ちゃんとしなきゃ」