子育て情報『両親が相次いでガンに…。父の亡き後すぐに妊娠した息子は存在自体が希望の光』

2021年3月25日 22:20

両親が相次いでガンに…。父の亡き後すぐに妊娠した息子は存在自体が希望の光

ところが、その直前に私の母の乳がんが発覚。当時父は大阪に単身赴任していたので、一人暮らしの母の闘病生活を私が支えることにしたんです。結局夫とは約1年くらい別居生活になりました。

その後、母の病気が快復し、結婚2年目からようやく夫と一緒に暮らすように。私も東京で仕事をするようになって、毎日夫婦2人で充実した生活を送っていました。「子どもは来年くらいかな?」「そうだね」なんて話していたころに突然、今度は父が末期がんで余命1カ月と宣告をされました。

余命宣告されたあとに父に言われた忘れられない言葉があるんです。「さみしがらなくていいよ。
またすぐに会えるから。絵理のところに戻ってくるから」って。闘病生活で暗く沈んでいた弟たちがそれを聞いて「そうだよ、姉ちゃん早く妊娠しなよ! 父さんに孫、見せてないじゃん!」みたいになって。

そのときにふと思い出したんです。病気が分かる前に父が「そろそろ絵理の子どもが見たいな」って言っていたのを。でも、当時の私はなんとなく“未来はいつまでもある”って思っていたから、「来年ぐらいね」って何の気なしに答えていて……。初めて後悔しました。

父は本当にその後、1カ月ちょっとで亡くなってしまいました。
家族みんなやりきれない思いでいっぱいでした。余命宣告されて1カ月って、何ができるんだろうっていうくらいあっという間で、何もできていなんじゃないかと責める気持ちばかりが浮かぶんです。家族みんなが悲しみを抱えていたときに、自分の体調の変化に気づきました。

ーお父さまの死後にすぐ妊娠がわかったんですね。家族のみなさんの反応はいかがでしたか?

【高杉さん】
それはもう、希望の光でした。兄弟たちも「お父さんの生まれ変わりだ」って喜んでくれて。なによりふさぎ込んでいた母にとっての生きがいができました。子どもって本当に希望なんですよね。
パーッと周りが明るくなるような。息子は私たち夫婦だけでなく、母や兄弟たちみんなが悲しみに暮れているときに幸せを運んでくれた天使です。 

生まれ変わりのように子どもが生まれてくる話は、仕事でもよく聞くエピソードなんですが、自分が体験して「亡くなる命もあれば、生まれてくる命もある」って実感しました。実際、息子は全然生まれる様子がなかったのに、予定日よりも早く陣痛がきて生まれてきて、気づけばその日は父の月命日。

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