2021年3月27日 14:30
友人の妊娠出産が喜べず限界…不妊治療をやめてすぐ訪れた奇跡【後編】
産後の異動は納得できませんでしたけど、女性が多い部署になったので、伝えやすかったです」
体外受精であっても、予定通りに進まない。1回目の移植は失敗、子宮のポリープ除去手術と予想外のことが続いた。そして2回目の体外受精で妊娠。
しかし切迫流産で1カ月の自宅安静を余儀無なくされた。会社を急に休むことも、長期で休むことも多くなったが、もうあの頃のような後ろめたさはなかったという。
「私のカミングアウトによって、後輩たちが続々と不妊治療を始めていました。だからお願い! 私、休むから!って堂々と言えたんです」
2020年7月、自宅から近い大学病院で無事に第2子となる男児を出産した。42歳だった。
必要なサポートは、制度よりも「周囲の理解」と実感
会社の空気は変わったが、まだ課題は残る。豊華さんが打ち明けられたのは女性社員だけ。男性からの理解は得られる気がせず、伝えられなかった。会社が組織の制度として不妊治療を応援しているのではない。周りの女性社員たちが、個人としてサポートしてくれている段階だ。
2020年の菅内閣誕生で、不妊治療の保険適用が動き出すなど、追い風が吹いている。社会が、時代が変わってきた。でもサポート制度の整備を待つよりも、周囲の理解が深まることで、当事者も協力を仰ぎやすくなると感じている。
「仕事と不妊治療の両立は本当に難しいんです。会社にだまっていることが一番つらかったです。不妊治療をすることを恥ずかしがらず、職場や同僚の協力を得て治療に臨むことができれば、妊娠にも早くつながるような気がします」
今は育児休暇中の豊華さん。仕事はこれからも続けて、さらに会社を変えていきたいと考えている。
「復帰してからの新たな目標ができました。これからは社内の女性たちが不妊治療しても出産しても働きやすい環境を作っていきたいです。『私に続けー!』という気持ちです」
【調査概要】出産のタイミング・不妊治療に関するアンケート
調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している
「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」「ベビーカレンダー全員プレゼント」
のサービスを利用された方
調査期間:2021年1月28日(木)