卵子の老化にどう対応する?約4割が「卵子凍結に興味あり」。2,127名の女性に聞いた「卵子凍結」のリアル
しかし、こうしたデメリットを含め「まず情報が欲しい」というのが女性たちの本音のよう。アンケート調査のフリー回答では下記のような声が寄せられました。
「最近はメディアでも文言は出てきたが、詳しい内容までは全然周知されていないので、もっと身近に情報が増えればいいなと思う」(35〜39歳)
「女性に選択肢を増やすことは卵子凍結に限らずいいことだと思う。ちゃんとメリットデメリットなど全て情報提供されることが重要」(35〜39歳)
「もっとニュース等で取り上げて良いトピックだと思う。また、それに付随する精神的、肉体的、経済的デメリットも併せて伝えるべき」(30〜34歳)
メリット・デメリットをきちんと認識したうえで、自分で判断したいと考える女性の声が目立ちます。
卵子凍結を扱う民間サービスも登場
卵子凍結の話題が広まりつつあるなかで、民間の卵子凍結保存サービスも登場しています。その一つが、健康な女性が自身の将来のライフプランのためにおこなう卵子凍結を提供するサービスの開始を、2021年1月に発表した「Grace Bank」です。
Grace Bankの創業者・勝見祐幸さんによると、現状の利用者として多いのは「30代半ば〜40代の未婚者の女性」だと言います。
また、Grace Bankの特徴の一つとして挙げられるのがその「価格」です。10年間でかかる卵子の保管費用の相場が60万〜200万円と言われるなか(※2021年、Grace Bank調べ)、同社では初期費用10万円(税別)、毎年発生する費用3万円(税別、15個まで)と低価格に抑えられています。これは民間さい帯血バンクの最大手ステムセル研究所との資本業務提携と、凍結卵子の一括保管体制の確立により実現できたとのことです。
民間企業が卵子凍結を取り扱う事例としては、アメリカでの「企業の福利厚生としての卵子凍結」サービスの存在も挙げられます。2014年にFacebook社が導入したことを皮切りに、GAFAをはじめ他企業も追随しました。
こうした背景もあり、実際に米国生殖補助医療学会の統計によるとアメリカでは2014年から2018年にかけて卵子凍結の症例数が2倍(6,090件/2014年⇒13,275件/2018年)