子育て情報『「いつもすみません…」お母さん、謝らないで!元保育士の私が現役時代に思ったこと【体験談】』

2021年7月7日 20:00

「いつもすみません…」お母さん、謝らないで!元保育士の私が現役時代に思ったこと【体験談】

私が保育士で1歳児クラスの担任をしていたころ、子どもらしく素直で、泣いている子を慰めたりするやさしくて甘えん坊なかわいい女の子がいました。でも少しやんちゃなところがあり、それを気にしているからか、その子のお母さんはいつも私たちに謝り暗い顔で帰ることが多く……。そこで私は、その子の良い面をお母さんに伝えるため、あることをしてみたのです!

「いつもすみません」

お迎えの時間になると子どもたちの顔は一気に明るくなります。ですが、その子のお母さんはいつも暗い顔をしていて、今日あった出来事を話すと、「いつも本当にすみません」と言って頭を下げながら、急いで帰ってしまいました。

次第に忘れ物も多くなり、心配になった私は、お迎えのときに少し時間をいただきお母さんと2人で話すことにしました。


家での様子を聞くと…

まず、家庭でのお子さんの様子を聞くと、「家でも保育園と変わらずやんちゃで言うことを聞いてくれなくて困っている」とお母さんは言いました。続けて「自営業で帰ってからも仕事に追われ、遊んであげられていない罪悪感もあり、さらに保育園でのお友達とのトラブルや生活の様子を聞くと本当に申し訳なくて仕方がない」と言い、謝られてしまいました。

私たちは保育園での生活を伝える際は、トラブル発生時以外はその子が成長したところやかわいかったことなどを主に伝えていますが、そのお母さんにはその話すらも先生たちに気をつかわせていると思っていたようなのです。

百聞は一見に如かず

そんなお母さんの話を聞いて、私はその子の素敵なところ、やさしいところ、かわいいところを園のデジカメのムービーで記録し、お迎えのときにお母さんに見せることにしました。

見終わったお母さんの目には涙が溢れていました。私は「保育園での生活は親のそばを離れているので子どもが本当に安心できる場所ではないと思いますが、そこで家と変わりなく過ごしてくれていることが私たちにとってはとてもうれしいです」とお母さんに伝えると、「ありがとうございます!」とお母さんは言い、親子仲良く帰っていきました。

私も親になってから気づきましたが、子どもが園で迷惑をかけていないかなど、悪いところばかりに目が行きがちです。しかし保育園にはさまざまな子が集団生活をしていて、どんな子にも必ずいいところがあります。

関連記事
新着子育てまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.