病気を持って生まれた娘。「あなたがこれだけがんばったんだよ」と伝えたくて、私は漫画を描いている
ベビーカレンダーでは、「子どもがいるっていいな」と思えた瞬間について、実際のママへのインタビューをスタート。今回は、ベビーカレンダー で育児漫画を連載しているイラストレーターのじぇにこさんにお話を聞きました。
じぇにこさん
愛知県出身。デザイン学校を卒業、社会人生活を経て結婚。2013年に長女を、2017年に次女を出産。口唇口蓋裂を持つ長女のこれまでの治療の過程の記録やその時の自身や家族の様子を綴るためブログを開始。現在はベビーカレンダーにて「口唇口蓋裂ちゃん、育ててます」を連載中。
「口唇口蓋裂」と診断されたときは本当につらかった
ー1人目のお子さんが口唇口蓋裂ということですが、今までで一番大変だったことや辛かったことはどんなことでしょうか?
【じぇにこさん】
一番つらかったのは、お腹の中の娘が口唇口蓋裂だと診断されたときです。
初めての妊娠がほんとうにうれしくて、赤ちゃんのためによかれと思うことは積極的に取り組んでいました。ですが、妊娠5カ月の妊婦健診でエコーにはっきり鼻の下に縦線が入っているのが見え、口唇状態であることが確認されました。
その瞬間、頭が真っ白になってしまいました。医師から言われたことは、口唇口蓋裂は治る病気であるということ、そして、妊娠中は何もすることができないし、生まれてきてからしか手術はできないということでした。
ただ、生まれてきてくれた娘はその不安を吹き飛ばしてしまうくらい可愛くて、口唇口蓋裂が気にならないくらい可愛くて小さくて、「この子にしっかり治療をうけさせてあげよう」という強い決意に変わりました。
ー旦那さんと衝突することもあったようですが、具体的にどのようなことなことがあったのでしょうか。
【じぇにこさん】
これは今でもなんですが……。口唇口蓋裂の原因ははっきりわかってはいないと、頭ではわかっているんですが、私自身「健康に産んであげられなかった」という気持ちがあり、そのバランスが取れないことがあります。
特に最初の手術を受けるまでは、「早く手術をしてこの子を治してあげないと!」と焦っていました。将来子どもになんて言われるだろうとか、この子は自分自身でどんなふうに思うのだろう?と先走っていろんなことを不安に感じていました。