「子どもは腫れやすい」は本当?刺されないために親ができることって?【3児ママ小児科医のラクになる育児】
こんにちは。3人の子どもを子育て中の小児科医、保田典子です。最近、汗ばむ日も増えてきて、虫刺されの相談も増えてきました。赤ちゃんや子どもは蚊に刺されやすい感じがしますよね。なるべく虫刺されを増やさないために、親がしてあげられることをお伝えできたらと思います。
赤ちゃんは蚊に刺されやすいって本当?
蚊は二酸化炭素やにおい、体温を感知して吸血をするとされています。つまり、運動や飲酒によって二酸化炭素を多く吐き出していたり、汗をたくさんかいていたり、体温が高い人が刺されやすいそうです。足の常在菌の種類が多いと刺されやすい、という研究もあります。
赤ちゃんや子どもは体温が高く、汗もよくかくことから、蚊に刺されやすいと考えられます。
感染症による後遺症、死亡例も
蚊に刺されるとかゆくなりますよね。かゆいことでQOL(生活の質)が悪くなってしまいます。かきむしると、虫刺されや湿疹などをかきこわし、その傷口に細菌が感染する「とびひ」の原因になることもあります。
特に生まれたばかりの赤ちゃんはあまり症状がひどくならないのですが、幼児期は人生の中で一番かゆみや腫れが強くでやすい時期です。
「蚊アレルギー」と呼ばれますが、少し腫れるだけでは済まず、腕全体がパンパンに腫れてしまったり、水疱ができて痛みを伴ったりしてしまう人もいます。ひどいと発熱してしまう人もまれにいます。こうした症状が見られたら、すぐに受診してください。
さらに怖いのは、かゆみや腫れだけでなく、蚊を介してデング熱やジカ熱、日本脳炎といった感染症に感染してしまうことです。デング熱は高熱や嘔吐などの症状が出るほか、重症化すると死に至ることがあるので、早期受診が必要です(※注1)。
日本脳炎は突然の高熱、頭痛、嘔吐などを引き起こす病気で、発症すると後遺症が残ることもある感染症です(※注2)。対症療法が中心となるため、「蚊に刺されないための対策」と「予防接種」の予防が大切です。
まずは蚊に刺されないことが大事!
一番確実なのは虫よけを使うことです。虫よけ成分に含まれる「ディート」は、塗っていればほぼ蚊が皮膚に止まるのを予防できます。ただし、小さい赤ちゃんへの使用制限が定められています。