肺腺がんを告白。青木さやかさんインタビュー#1「私自身は元気ですし、がんと言われることが不思議でした」
と言われて納得したからです。また、将来、「すぐに手術しましょう」となったときに、仕事に差し障りが出てしまうかもしれません。そう考えると、スケジュールに余裕があるときに手術をしたほうがいいのではないかとも思いました。それに、自分の中に不安材料の残しておくことは、私にとってはストレスでしたから。2017年8月に手術を受けることになりました。
ー手術を受けるかどうか、誰かに相談はしたのでしょうか。
青木さん:私が入院している間の娘の行き先を相談する、いつごろ仕事に復帰できるかを先生に相談する、会社に仕事の相談をするといったことはしました。私は3社の保険に加入していたので、保険会社に話を聞いたりもしましたね。
ただ、先生には「保険がおりる可能性は低い」と言われました。
ーそれはどうしてなのでしょうか?
青木さん:浸潤がん(※)じゃないと保険はおりないらしいんです。ただ、アフラックさんは保険がおりて、100万円をいただきました。とても助かりました。
※がん細胞が直接に周囲の組織や臓器に広がって増殖するがん。
手術の翌々週にはドラマ、翌々月には舞台に出演
ーがんという病気や治療に対する不安もあったのではないかと思います。
青木さん:ものすごく不安でした。単純に「怖いなぁ」って、よくわからないことへの恐怖や、想像がつかない世界への不安がありました。
ほかにも「復帰できるのかな?」、「今までどおりに声は出るのかな?」、「傷はできるのかな?」といった術後の不安もありましたし、お金や生活に対する不安もありました。
ーそうした不安は克服することができたのでしょうか?
青木さん:いえ、治療や体調がひと段落するまでは不安だったような気がします。実は私、手術前にある俳優さんの舞台を見に行っているんですね。彼も私と同じ肺腺がんを患って手術を受けているんです。術後に舞台に立つ彼はしっかりと声を出していたので、「お元気そうでよかった」って思いながら見ていました。本人に言わずに勝手に応援させてもらっていたんです(笑)。
ー実際の治療はいかがでしたでしょうか?
青木さん:1週間弱の入院をし、腹腔鏡手術で右肺結節という部分を切除しました。