2022年4月30日 22:20
「親に捨てられてかわいそうに…」養子縁組で子どもを迎えたママのリアルな悩み【新しい家族のカタチ】
「仲が良くなるにつれて、話のつじつまが合わなくなってくるので、思い切って話してみました。すると、『特別養子縁組の家族初めて知った! 身近にいるんだね!』『話してくれてありがとう。娘ちゃんがそっくりだからビックリした!』など、どの家族もとても自然に受け入れてくれました。そしてその後も何も変わらず接してくれています」
この経験から、やっぱり勇気をもって伝えてよかったと思っているそうです。
「娘には自分に自信と誇りを持って生きてほしい。でももしも将来、娘が傷つくことがあったら、いっしょに悩んで進んでいきたい」そうはるさんは言います。
「親に捨てられてかわいそうに…」悪気はないのだろうけれど
娘さんを特別養子縁組で迎えたばかりのころ、生まれて間もない赤ちゃんの娘さんを見て、「親に捨てられてかわいそうに……」と言った方がいたそうです。
「特別養子縁組の考え方やイメージは人それぞれだから、このように思う人がいることは理解できます。
けれど、私は『娘は幸せな子ども』だと考えているんです。実母さん、つまり娘を生んだママは、娘のことを想って、娘が幸せになる方法を選択しました。娘は、実母さんからも、育ての親である私と夫やその家族からも、愛されている。たくさんの方の愛に包まれた幸せな子だと思っています。実母さんは娘を捨てたわけじゃない。愛しているからこその選択だったはずです」
娘さんのごっこ遊びには、2人のお母さんが登場するそうです。
「あなたには2人のお母さんがいるのよ。産んでくれたお母さんと育ててくれるお母さんよ」
娘さんはごく自然なこととして受け止めているのですね。
「娘自身が『たくさんの人に愛されて私は幸せだ』と考えられるようになってくれたら、こんなにうれしいことはありません。他人がどう思おうと、娘がそう思えるような子育てをしていきたいと思います」
覚悟を決めて特別養子縁組を選んだはるさん。生後5日目で迎えた娘さんは現在未就学児で、すくすくと元気に育っているそうです。日々、悩むことはあるけれど、「正解は自分の心が決めるもの」。そう考えながら、はるさんは幸せな気持ちで子育てを楽しんでいます。
出典:
厚生労働省「子供を育てたいと願う人へ特別養子縁組制度」