商店街や板前さんの出前講座も!まち全体が保育のフィールド「まちのてらこや保育園」の取り組みとは?
東京・日本橋の下町コミュニティを活かした保育をおこなう「まちのてらこや保育園」。子どもたちで商店街にお買い物に行く、まちで料亭を営む板前さんが園で魚を捌いてくれる……。“地域で子育て”はよく聞きますが、ここまで地域と密接に関わりながら保育をおこなっているケースは珍しいでしょう。「子どもの意志に基づいた保育」を軸に、園から地域に保育のフィールドを広げたまちのてらこや保育園の取り組みを紹介します。
まちのてらこや保育園ってどんなところ?
●保育=園外学習が当たり前!「下町コミュニティ」で子どもと地域がWin-Winの関係に!
●先生は保育士だけじゃない!板前さんに、花屋さん…まちのみんなが先生に
●決めるのはすべて子ども!「シャッフル保育」に「遠足会議」で自己決定を促す
●リサイクル本や図書館で広がる世界、絵本から見つける「やりたいこと」
●保育園は第二のおうち「畳のある保育室」がもたらす効果
まちのてらこや保育園は、東京都中央区の日本橋で1~5歳の子どもを受け入れている認可保育所です。保育園不足の中、オフィスワーカーのママたちに寄り添った園を作りたいとの思いから、理事長の高原友美さんがオフィス街である日本橋に開園しました。
園のコンセプトは「まちのみんなが先生で、まち全体が保育園」。都心にありながらも、近隣に昔ながらの商店街や横丁などがあることで、地域住民の方との交流も盛んにおこなっています。
まちのてらこや保育園では、保育園だけでなく、地域の方とも一体となり「ゆたかな心・すこやかな体・あいされる喜び」を育んでいます。
PICK UP!商店街で地域交流!下町コミュニティでの体験すべてが子どもの力に
まちのてらこや保育園の保育内容で最も注目したいのが、商店街などでの地域交流。園のある日本橋人形町地域には昔ながらのお店が豊富な商店街があり、子どもにとっても普段から身近な存在になっています。
「○○を探しに行こう」といった商品探しでは、実際にお店を訪問し商品を探して購入したり、ハロウィンなどのイベント時期には商店街でスタンプラリーを実施したりしています。
子どもにとっては自分で考え、お店の方に質問し、探すなど、すべての経験が力になる時間に。地域には江戸時代から続く老舗の和紙屋さんもあり、紙漉き体験をして、卒園証書として子どもたちに渡しているそうです。