<小学生トラブル>「オレに気付いてよ!」期待を裏切られた新学期。唯一の友だちが去る背中を見つめて
友だちの輪になかなか馴染めずにいた、小学生のレクト。放課後の公園でひとりうなだれていたレクトに、声をかけたのが、同じ学校のソウでした。レクトはソウのグループ入って、一緒に遊ぶようになります。いつしかレクトにとってソウは、唯一自分をグループに入れてくれた、大きな存在になっていました。
レクトとソウは違うクラスだったため、学校での交流はなく、遊ぶのは放課後の公園だけ。「学校も放課後もソウと遊べるように……。3年生はソウと同じクラスになれますように!」唯一の友だち、ソウと同じクラスになれるよう願うレクト。
そして、新学期。
クラス替えの表には、レクトと同じクラスの一覧にソウの名前が。「願いが叶った!」と、レクトは歓喜していましたが……。
せっかく同じクラスになれたのに、なんで…?
念願叶い、ソウと同じクラスになれたレクト。
「ソウ!オレたち同じクラスだぞ!」
「おう、レクト。同じクラスか。よろしくな」
そんな会話を交わす2人ですが、すぐにソウは他の友だちに呼ばれ、去ってしまいます。
「なんで、行っちゃうの? せっかく同じクラスになれたのに、オレと一緒にいないの?」
ソウの背中に問いかけるレクト。
ソウの周りには常に人がいて、ソウにとってレクトはその中の1人に過ぎないようです。しかし、レクトにとってソウは唯一の友だち。
「オレに気付いて。
気付いてよ!ソウ……」
期待していた新学期ではなかったレクトは、ただただソウの後ろ姿を目で追うのでした。
ソウのように、誰にでも分け隔てなく話しかける人気者は、どのクラスにも1人はいたのではないでしょうか。友だちが常に周りにいるような子、物静かな子、マイペースに過ごす子……。学校にはいろいろな子が集まり、同じ環境でさまざまな経験をして、共に成長していきます。親のそばから離れての集団生活は不安も多いですが、学校は子どもたち一人ひとりが楽しく過ごせる場所であってほしいですよね。