「やめて!!」赤ちゃんを掴んで奪った夫。妻は混乱し、激しく取り乱して!?<僕たちは親になりたい>
子どもが生まれてから、育児は妻の美咲に任せっきりで、家庭をかえりみない自分本位な行動が続いていた拓也。ある日の夜、赤ちゃんのお世話をめぐって、拓也と言い合いに発展。自分と娘に全く関心を持たない拓也に対して、怒りが爆発してしまいます。「そんなに私と花ちゃんと一緒にいるのが嫌なの!?」と拓也に問いただすと、「今は……嫌だ……」という答えが返ってきました。
続けて拓也に「妊活は前向きな気持ちだったの?」と質問した美咲。すると、拓也からは「妊活をしいないほうが良かったと後悔してる……」という答えが返ってきたのでした。
その回答にショックを受けた美咲は、一瞬絶句してしまいます。さらに、拓也は追い打ちをかけるように「俺には赤ちゃんの泣き声が聞こえない」と言い始めると、赤ちゃんを美咲から奪い上げてしまって……!?
妻から赤ちゃんを取り上げた夫。そして…
美咲から赤ちゃんを取り上げると、
そのまま片手で持ち上げた拓也。
突然の目の前で起こっている出来事に
美咲は、急いで止めに入ります。
「何してるの?!やめて!!」
「よく見ろ!!
ちゃんと現実を見るんだ!!」
ハッキリとそう言うと、
厳しい表情で美咲を見つめた拓也。
「泣いてる!!やめて!!」
「泣いてない!!
泣いてるのは美咲のほうだ!!」
ハッキリ美咲に向かってそう言った拓也。
そして、拓也が持っていたのは
赤ちゃんではなく、犬の人形だったのでした。
◇◇◇
拓也が美咲から奪ったのは、犬の人形でした。恐らく美咲は、この人形を赤ちゃんだと思って、大事に大事に育てていたのでしょう。人形を赤ちゃんだと思い込むことで、ついら現実から逃げたかったのでしょうか……。
拓也と美咲、それぞれの気持ちを想像すると、切なさや悲しさなどのさまざまな感情が、一気に押し寄せてきてしまいました。
著者:マンガ家・イラストレーター ちなきち
「思い出して受け止めるんだ」震える夫の手。妻を絶望に追い込んだ悲しい現実<僕たちは親になりたい>