「女の地獄…」家がないまま出産!? 仕事を理由に子育てを拒否した父親<恋愛依存のシングルマザー>
佐伯さえ(27)は、大手印刷会社で営業としてバリバリ働くキャリアウーマン。母子家庭で育ったさえには、2つ下の妹・りな(25)がいました。姉妹は、趣味嗜好が合わず真っ向から対立。お互いを軽視するようになり、りなが18歳で家を出てからは、干渉することなく別々の人生を歩んでいました。母を支えながら、幸せに生活していたさえですが、ある日突然、りなから「子どもを出産した」と母に連絡があり、状況が一変します。妊娠していることすら知らなかった母とさえは大混乱。りなは女の子を出産し、子どもの父親は「認知しない代わりに養育費を月40万円支払う」と言っているそう。りなは、赤ちゃんはとともに、しばらくさえと母が暮らす家で生活することになりました。
約6年ぶり再会したりなは整形しており、“量産型”の見た目に変貌。そして、娘を“ききめろ”と名づけました。嫌みばかり言うりなに、「すぐにでも追い出してやる」思っていたさえですが、キキちゃんを前に、「赤ちゃんに罪はないんだよな……」と複雑な心境になっていました。
3カ月ほど滞在すると言うりなに、家賃を払うよう伝えると、りなは拒否。そのことがきっかけで小競り合いをしていると、母は「お金取るなんていじわる言わないの!」とさえを咎めました。
これから子育てにお金がかかるりなを思う母。「姉妹ふたりで支え合ってほしい」と訴える母に、さえは「また私が我慢……」と憤っていました。
その日の深夜2時、ミルクを探し、母を起こし、とにかく騒がしいりなに起こされたさえ。
「赤ちゃんは仕方ないけど……お前……ちょっとは静かにしろっ!」と怒り心頭。
さえが文句を言いに行くと、りなは逆ギレ。「私への嫌がらせかよ。キキ〜鬼ババがいじめるよ〜怖いね〜大きくなったらやっつけてね〜」と嫌みっぽく言いながら、その場から去ろうとするりなに対し……。
無責任な父親の実態に母は…
「いい加減にしろ! もう無理! 一緒に暮らせない! すぐ出てって! 自分の家に帰って!」
りなに怒鳴るさえの声で、起きてきた母。「お母さん! 私もう本当に無理!」とさえは、半泣きで訴えます。
「こんな生活、無理だよ! 感謝するならまだしも、恩を仇で返すような態度されて、我慢できるわけない!」
限界に感じるさえに母も納得し、「仕方ないから、お母さんがりなの家に泊まることにするわ」と提案します。りなに家がどこか尋ねると……。
「私……家ないんだよね。出産するまでは、キキのパパのとこに住んでたの」
しかし、「仕事が忙しいから子育てはできない」と言われたそう。そして、「家は探してくれているものの、なかなかいいところがない」と説明するりな。
りなの話に青ざめるさえですが、それ以上に感情的になっていたのは母でした。
「なによそれ!! なんなのその男……人の大事な娘を……許せない! 子どもを産ませて追い出すなんて! ひどすぎる!」
号泣してしまう母。
「これは……女の地獄だ……」
その日、泣き叫ぶ母をなだめ、さえと母は一緒に眠るのでした。
出産前のりなの生活がよくわからないままでしたが、まさか、家がない状態で子どもを出産していたとは驚きですね……。「仕事が忙しいから」と子どもを認知することも、子育てに参加することも拒否した父親。
りなの母が泣き叫んでしまうのは当たり前で、そのくらいショッキングな出来事です。
「別に心配はないんだけど……」と、あまりにのんきに構えているように見えるりな。母に心配ばかりかけてきましたが、りなも母親になった今、これ以上母を悲しませることがないよう、自立して生活できるといいですね。
著者:マンガ家・イラストレーター もち