子どもの耳掃除、実はしなくてOK!むしろ、しないでください!理由は…【3児ママ小児科医】
こんにちは、3児のママ小児科医・保田典子です。今回は、外来でもよく質問がある耳掃除についてお話しします。
子どもの耳掃除について、「どのくらいの頻度したらいいですか?」「どのくらい深くまで入れていいですか?」など、健診や病気の診察のときなどに結構聞かれる質問です。私は「耳掃除は、しなくていいんですよ」とお答えしています。その理由をお伝えしたいと思います。
健診のみならず、中耳炎のあとの診察などでも耳掃除の質問はあります。中耳炎になると耳だれも出てくるので、耳掃除しなくちゃ、となりますよね。でも、耳掃除で中耳炎の予防ができる訳ではありません。
日本耳鼻咽喉科学会でも、
と耳掃除をしないことを推奨しています。
「耳掃除」といっても、綿棒や耳かきを耳の穴に入れて「掃除」することはしません。ガーゼなどを指に巻いて、耳を拭きとるというイメージでケアしておけばOK。大人の指なら子どもの耳の穴の奥まで突っ込めないので安全です。お風呂や沐浴で耳の中に水が入っても大丈夫。放っておけば水も自然に排出されます。
ちなみに、私自身は耳掃除をすることがありますが、子どもが大人しくテレビなどを見ているときに(←すごく大事です。
わが家の子どもたちは、基本的に耳掃除はしていません。親がおこなっているのを見ると、「やって〜」と言われるので、スキンシップ程度にすることがある感じです。お子さんが自分で耳かきや綿棒使うと、鼓膜を破ってしまうおそれもあるので、絶対にやめさせましょう!
基本、耳掃除が目的で耳鼻科を受診する必要はないのですが、下記のようなときは、耳鼻科の受診を考えましょう。
●耳だれが出るとき
●耳の聞こえが悪くなったと感じたとき
●耳を痛がるとき
●耳の違和感を子どもが訴えるとき
●どうしても耳垢が気になるとき
耳鼻科を受診する時に「耳垢が気になって」と伝えると、その場で取ってもらえることもありますし、「今度受診するべきなのか」「受診するタイミング」「受診しなくて大丈夫なのか」など教えてもらえるので、それを参考にするのがいいと思います。
人間の体は、耳に限らず「適切なお手入れ方法」があります。
うんちをきれいに拭く、歯磨きをする、など
せっけんを使い洗いすぎると皮脂を落としすぎてしまう
耳垢も適度な量は耳を守ってくれる大事なものなので落としすぎなくて良い、など
きれいにすることのメリット、デメリットを理解していると、不要なケアを減らすことができるだけでなく、お子さんの健康を保つことができます。
耳垢よりも「聞こえが悪くなっていないか」「鼻水が詰まって口呼吸になっていないか」などを毎日チェックしてあげて、心配なら耳鼻科の受診を考えてみてくださいね。
監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。
子どもの耳掃除について、「どのくらいの頻度したらいいですか?」「どのくらい深くまで入れていいですか?」など、健診や病気の診察のときなどに結構聞かれる質問です。私は「耳掃除は、しなくていいんですよ」とお答えしています。その理由をお伝えしたいと思います。
「耳掃除」しなくていい理由は?
健診のみならず、中耳炎のあとの診察などでも耳掃除の質問はあります。中耳炎になると耳だれも出てくるので、耳掃除しなくちゃ、となりますよね。でも、耳掃除で中耳炎の予防ができる訳ではありません。
鼻水を吸引したほうが中耳炎の予防はできます。
日本耳鼻咽喉科学会でも、
と耳掃除をしないことを推奨しています。
耳のケア、どうすればいい?
「耳掃除」といっても、綿棒や耳かきを耳の穴に入れて「掃除」することはしません。ガーゼなどを指に巻いて、耳を拭きとるというイメージでケアしておけばOK。大人の指なら子どもの耳の穴の奥まで突っ込めないので安全です。お風呂や沐浴で耳の中に水が入っても大丈夫。放っておけば水も自然に排出されます。
ちなみに、私自身は耳掃除をすることがありますが、子どもが大人しくテレビなどを見ているときに(←すごく大事です。
急にぶつかってきたら鼓膜を破る危険性も……!)、深くなりすぎないように綿棒でささっとおこなう程度です。本当は不織布かガーゼが良いですよ。
わが家の子どもたちは、基本的に耳掃除はしていません。親がおこなっているのを見ると、「やって〜」と言われるので、スキンシップ程度にすることがある感じです。お子さんが自分で耳かきや綿棒使うと、鼓膜を破ってしまうおそれもあるので、絶対にやめさせましょう!
耳鼻科に行くのは、どんなとき?
基本、耳掃除が目的で耳鼻科を受診する必要はないのですが、下記のようなときは、耳鼻科の受診を考えましょう。
●耳だれが出るとき
●耳の聞こえが悪くなったと感じたとき
●耳を痛がるとき
●耳の違和感を子どもが訴えるとき
●どうしても耳垢が気になるとき
耳鼻科を受診する時に「耳垢が気になって」と伝えると、その場で取ってもらえることもありますし、「今度受診するべきなのか」「受診するタイミング」「受診しなくて大丈夫なのか」など教えてもらえるので、それを参考にするのがいいと思います。
適切なお手入れ法を知ることが大事です
人間の体は、耳に限らず「適切なお手入れ方法」があります。
1. きれいにしたほうがよいもの
うんちをきれいに拭く、歯磨きをする、など
2. そこまで完璧にきれいにしなくていいもの
せっけんを使い洗いすぎると皮脂を落としすぎてしまう
耳垢も適度な量は耳を守ってくれる大事なものなので落としすぎなくて良い、など
きれいにすることのメリット、デメリットを理解していると、不要なケアを減らすことができるだけでなく、お子さんの健康を保つことができます。
耳垢よりも「聞こえが悪くなっていないか」「鼻水が詰まって口呼吸になっていないか」などを毎日チェックしてあげて、心配なら耳鼻科の受診を考えてみてくださいね。
監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。