「わたし、お母さんに嫌われてるのかな…」子どもながらに私がそう確信した瞬間<母に嫌われていた私>
夫と3歳の娘みーちゃん、1歳の息子はーくんと暮らす和栗ぐりさん。自身の過去を振り返りながら、どのように子どもたちに接していくかを模索しています。厳しいお母さんと無口でやさしいお父さん。そんな両親が喧嘩をし、「離婚しよう」と言い出すたびに、幼いぐりさんは必死で引き止めるのでした。ある日、借金の取り立てがやってきたあとにお母さんが一家心中をしかけます。お母さんが我に返り事なきを得たものの、その恐怖はぐりさんの心に深く根差してしまいました。
ほどなくしてぐりさんたちはお母さん側の祖父母の家に身を寄せることに。転校先でも問題なく過ごしていました。
しかし、ある日、祖父が「ここはお前の家じゃない!」とお母さんに怒鳴っていました。
祖父母の家を出て再び4人での暮らしが始まったぐりさん。幼いぐりさんは、きっと穏やかに暮らせると、また期待をしてしまうのですが――!?
私のせいだ…
母方の祖父母と同居して2年、いまだにぐりさんのお父さんは安定した職を見つけられず、同居生活にも暗雲が立ち込めていました。
ぐりさんのをおなかに宿したことをきっかけに、祖父母の反対を押し切って結婚した両親。ぐりさんは、祖父母と母親の喧嘩の原因は自分にあると思い込み、だんだんとふさぎ込むようになってしまいました。
また、祖父と母親の怒り方が似ていることに気付いたぐりさん。いつか自分も同じように自分の子どもを怒るのではないかと不安に駆られます。
しばらくして、祖父母との同居は解消。
引っ越し先の二階建てのアパートで、家族4人穏やかな生活を送れると思っていたぐりさんですが、今度は家の中でも居場所を失ってしまいます。小学校に上がった弟と比べられ、家を追い出されることもしばしば。
行き場を失ったぐりさんは、歩いて1時間半かかる父方の祖父母の家へ行っていました。お父さんと一緒に帰宅したぐりさんは、自分の分の晩ごはんがないことに気付き、「お母さんに嫌われてるのかな……」と落ち込むのでした。
家庭に居場所がなく、ぐりさんはつらい日々を送っていましたね。もしぐりさんのお母さんのように自分が抑えられないなど、育児に悩んだときは児童相談所に相談するという方法があります。悩みを人に話したり、話を聞いてもらったりするだけでも心が軽くなるかもしれません。ひとりで抱え込まず、周囲のサポートを活用しましょう。
■児童相談所全国共通ダイヤル
育児や子育てに悩んだときなどの相談窓口です。
全国共通ダイヤル「189」に電話をかけると、発信した電話の市内局番等から当該地域を特定し、管轄する児童相談所に電話が転送されます。子どもが虐待されているかもと思ったとき、自分の子育てがつらくて子どもにあたってしまうときなどに、専門家に相談することができます。
電話番号:189(いちはやく)
著者:マンガ家・イラストレーター 和栗ぐり