「出ていけー!」隣人に攻撃する母の元へ警察が!?精神疾患の母に育てられた幼少期<統合失調症の母>
統合失調症の母に育てられた“わたしちゃん”。思い出せる一番古い記憶は、幻覚や妄想で騒いでいる母の姿。病気のせいもあり、家の中は汚く、自分で食事を作り食べることもしばしば。母の病状で特に目立っていた被害妄想により、毎日のようにお隣さんを攻撃していて……。
統合失調症の母。被害妄想から、いつも騒いでいる母の元で育った、わたしちゃんの日常は……。
毎日お隣さんに攻撃する母
わたしちゃんが物心ついたころにはすでに、統合失調症を患っていた母。幻覚や被害妄想で騒いでいる姿が、思い出せる一番古い記憶なのだそう。
母の病状で目立っていた被害妄想により、お隣さんへの攻撃が日常的におこなわれていました。毎日、風呂場の窓からお隣さんに向けて大声で怒鳴る母。
「誰にもわかってもらえない、助けてもらえない」
そう感じていたわたしちゃん。唯一の理解者といえる、大人になったわたしが当時のわたしちゃんにやさしく寄り添います。
「つらかったね。平和に静かに暮らしたかったよね」
さまざまなかたちでおこなわれる母の攻撃。物干し竿に、「◯◯◯◯(お隣さん)出ていけ!」と書いた紙を吊るした日、母は警察から注意を受けていました。
「おまわりさん来てる! お母さんが注意されてる! え、お母さん捕まるの?」
わたしちゃんの記憶に鮮明に残っている出来事です。
このことで、母の言動は他の人から非難されることだと、はっきり認識しました。
そしてわたしちゃんは、周りの目を気にすようになるのでした。
幼少期の記憶をたどり、大人になった自分が当時の感情に寄り添う、わたしちゃん。「唯一の理解者である、今の自分」という言葉があるように、本当の意味で自分のことをわかってあげられるのは、自分しかいないですよね。
幼少期のつらい記憶にはフタをしてしまいがちですが、大人になった今、振り返り、当時の気持ちに寄り添ってみることも大切なのかもしれませんね。
著者:マンガ家・イラストレーター HiKARi