結婚の顔合わせをしていると「寝坊したから延期で!」と電話が…壮大な勘違いの結末は!?
私には幼なじみの兄弟がいます。兄のコウタは2歳年上、弟のユウタは私と同い年で、親同士がママ友ということもあり、きょうだいのように育ちました。実は私は、コウタに好意を抱いていました。しかし関係性を崩したくないあまり勇気を出せず、思いを伝えることはできないまま大人になりました。
一方、ユウタは私を好きだったよう。何度も告白されましたが、恋愛感情を抱くことはできませんでした。しかし関係性を崩したくないのはユウタに対しても同じ。やんわり傷つけないように、告白をかわしていたのです。
そんな私に思いがけないことが起きました。
突然の…!
「結婚を前提に付き合ってくれないか?」コウタからのまさかのプロポーズを受けた私。なんと、コウタもずっと私のことを好きでいてくれたのです。
来年から海外赴任が決まっていたコウタは、自分がいない間に私が他の人と結婚したら後悔すると思って、気持ちを伝えることにしたのだそうです。もちろん、私も2つ返事でOKしました。
両家の食事会で…
付き合い始めてから数カ月。海外移住の準備が本格的になる前に、私たちは籍を入れることになりました。今さら顔合わせをする必要はありませんが、せっかくなのでちょっと高級な料亭に両家の家族を招き、食事をする予定です。
しかし食事会の当日、約束の時間になってもユウタが来ません。義母いわく失恋したからヘソを曲げているのだろうとのこと。家族全員、ユウタが私を好きだったことに気付いていたようです。
いつ来るかわからないユウタを待ち続けるわけにもいかず、食事会はスタート。すると、しばらくして私のスマホが鳴りました。
画面にはユウタの名前が表示されていたので、出てみると……。
謎の電話
「ごめん! 寝坊しちゃった! もうみんな集まってるよな? 俺がいないと話にならないだろうし、結婚の挨拶は延期にしてもらって、今日は中止だって言ってくれる?」ユウタは焦ったようにそう言っていますが、私には何のことかさっぱりわかりません。
すでに結婚の挨拶は終わり、和やかに食事をしている最中です。
「もう、食事会は始まってるけど? 別にあなたが来なくても全然大丈夫だよ」そう私が言うと、ユウタは「何言ってるんだよ! とりあえず、急いで行くから!」そう言って電話を切ってしまいました。