「お人形こわい!」義実家の蔵を怖がる息子⇒義母「でもおかしいわね…」義母が不思議がる理由は…!?
広い義実家の敷地の中には昔からの門や蔵、家屋があります。今はもう使われておらず、中は埃まみれ。ある日、蔵に探し物に行く義母について行くと、一緒に入った息子が突然、不思議なことに、蔵にはまだ入っていないのに人形を怖がったのです……。
お人形って…?
ある日、義母が蔵に探し物に行くと言うので、子どもたちとついていくことにしました。蔵の重い扉を開けると、6歳の娘は「暗い!こわーい」と言いながらも楽しそう。2歳の息子はおびえながらも、私に抱っこされながら中に入りました。ほんの少し中に進むと顔を上げた息子が急に「やだ!入らない!出る!こわい」と泣き始めました。
外に出ると息子は「お人形こわい……」と言うのです。
「お人形なんてあったか?」と思いながら、中にいる義母に「そこに人形ってありますか?」と聞いてみました。
すると、「あるんだけど……おかしいわね…」と首をかしげながらごそごそしだしました。しばらくすると、「あったあった」と言って小さな日本人形を持ってきました。
息子はそれを見て「やだ!」と大泣き。「蔵の中でそれを見て怖かったみたい」と言うと、義母は顔を曇らせて「え、これ、籠の奥の箱の中にあったやつだけど……」と言いました。籠の中の人形が、一瞬蔵に入っただけの息子に見えるはずもなく、私も義母も首をかしげました。しかし息子はその人形を指して「それやだ!どっかやって!」と怖がるのです。
ひとまず人形はしまい直し、義母がアルバムを見つけたので、私と子どもたちは外で眺めていました。
その中の1枚に、先ほどの日本人形と思われるものが写っていました。しかし、写真の人形は髪が短く、さきほどの人形は長髪……。霊感の強い息子が怖がっていた様子と合わせて、何だかゾッとするものを感じ、あわててアルバムを閉じました。
写真や息子の反応から良くないもののような気がして、日本人形は義母が神社に持っていき供養して処分されました。あの日本人形がどのようなものかはわかりませんが、妙に背筋が寒くなる出来事でした。
イラスト/まげよ
著者:山口花