破水って何?尿漏れとの見分け方は?破水した時の対処法を助産師が解説!
出産の際の、入院の目安のひとつに「破水」があります。とはいえ、実際に体験しないとどのようなものなのか、わかりにくいですよね。今回は、破水とは何か、破水の分類、破水の症状や見分け方、破水時の対処方法などについてご紹介します。
破水とは?どのように起こる?
おなかの中の赤ちゃんは卵膜という袋の中に羊水と一緒に存在します。子宮口が開いてくると卵膜と子宮の壁にズレが生じ、卵膜がはがれていきます。すると、羊水が下に流れ込んで卵膜が膨らみ、「胎胞」を作り出します。
そして陣痛によって子宮内圧が高くなると、赤ちゃんの頭も下がっていき、胎胞にも圧力がかかっていきます。この圧力に耐えられなくなることで胎胞が破れ、羊水が流れ出ることを「破水」といいます。
これは、「低位破水」「完全破水」といわれますが、別の場所の卵膜が破れた場合を「高位破水」といいます。
破水の分類について
破水はどの時期に起こるかによって以下のように分類されています。
前期破水(PROM)
「前期破水」とは、陣痛が来る前に破水した状態をいいます。前期破水の原因には、絨毛膜羊膜炎などの子宮内感染や羊水過多などによる子宮壁の過伸展、頸管無力症などがあげられます。
前期破水は、妊娠37週以降に発症する前期破水と妊娠37週未満に発症する前期破水とに分けられ、特に妊娠34週以前の前期破水では赤ちゃんに合併症が起こりやすくなります。
妊娠37週以前に起こる前期破水では以下のような合併症がみられるため、注意が必要です。
・絨毛膜羊膜炎などの子宮内感染の恐れがある
・臍帯脱出(臍帯が子宮口から出てきてしまう状態)や臍帯圧迫により、おなかの中の赤ちゃんに苦しいサインが出てきてしまう
・破水によって子宮内の羊水量がへり、おなかの中の赤ちゃんが圧迫されてしまい、肺の成長が妨げられたり、手足が変形したり、関節がかたくなってしまう
・子宮内の羊水量が減り子宮内圧が低下することで、常位胎盤早期剥離を発症する恐れがある
早期破水
「早期破水」とは、陣痛が来てから子宮口が全開大(10cm)になるまでの間に破水したものをいいます。
適時破水
「適時破水」は、子宮口全開大の頃に破水したものをいいます。