マグセントってどんな薬?副作用は?おなかの赤ちゃんや新生児に影響は?
そのため、採血をして血中マグネシウム濃度が治療域を超えていないかの確認をおこなっていきます。
点滴をしていて、何か気になる症状がある場合は、医師や助産師などのスタッフに伝えましょう。副作用が強い場合には、お母さんや赤ちゃんの状態によって点滴の量を減らすことができることがありますので、医師に相談しましょう。
おなかの中の赤ちゃん・新生児への影響
マグネシウムは胎盤を通過し、おなかの中の赤ちゃんに移行します。それによって、胎動の低下などが見られることがあるため、入院中は胎児心拍モニタリングにて、赤ちゃんが元気であるかを確認します。
一方、32週未満の早産となる可能性が高い場合にマグセントを使用すると、赤ちゃんの脳を保護してくれるという役割があります。脳保護作用に否定的な報告もありますが、WHOもマグセントを使用することを推奨しています。
新生児への影響については、高マグネシウム血症になることがあります。
症状としては、呼吸障害や筋緊張低の低下、反射の低下、傾眠状態、腸管麻痺などが表れます。しかし、出生後48時間以内に消失するとされています。
まとめ
マグセントは切迫早産の治療薬として使われることの多い薬ですが、副作用も少なからずある薬です。早産になると赤ちゃんにさまざまなリスクが生じる可能性もあるため、できるだけ赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいられる時間が長くなるといいですね。入院して使われている方は、24時間の点滴や動きの制限、薬の副作用、赤ちゃんへの不安などが大きいと思いますが、一人で抱え込まず周りに相談してくださいね。
※参考文献
・正岡直樹; 切迫早産の診断と治療,岩下光利 監.東京,メジカルレビュー社,Page133-146,2008
・大路斐子;【周産期で必要なくすり まず押さえるべき35】子宮収縮抑制薬(切迫早産時)ウテメリン マグセント,ペリネイタルケア(0910-8718)35巻4号Page331-334,2016.4
・小谷 友美;【産婦人科実践マニュアル】(第1章)周産期分野 妊娠中の産科異常, 産科と婦人科 (0386-9792)83巻Suppl. Page18-22(2016.03)
監修者:医師 三鷹レディースクリニック院長 天神尚子 先生
日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。